私たちの街には、恐ろしい都市伝説が存在します。それは「消えた顔」と呼ばれるもので、ある特定の条件が揃ったときに顔が消えると言われています。
これからする話は私と友人のあやかに実際に遭遇してしまった恐怖の体験談です。
ある日、私はあやかから電話でこの都市伝説の話を聞かされました。彼女は驚くべき体験をしたと言い、その恐怖に襲われていました。
あやかは一人で公園に向かい、その場で特定の呪文を唱えると顔が消えるという都市伝説を知りました。彼女は興味本位で試してみたのですが、呪文を唱えると同時に周りの風景が歪み、彼女の顔は消えてしまったというのです。
電話越しに聞くあやかの声には恐怖と不安が滲み出ていました。彼女は顔の消失によって社会的な生活が不可能になり、自分が存在することすら疑問に思うようになっていたのです。
私は心配に駆られ、あやかの元へ駆けつけました。公園に到着すると、彼女は涙ながらに自分の顔が消えたことを訴えました。しかし、私の目には彼女の顔はちゃんと存在しているように見えました。
あやかは錯覚に陥っているのかもしれないと思いましたが、彼女の恐怖は本物でした。私は彼女を抱きしめながら、何が起きたのか理解できないまま彼女を慰めました。
あやかは泣きじゃくりながら「こんなことしなければよかった。なんでこんなことしちゃったんだろ」と自分がしてしまったことへの後悔をうわごとのようにつぶやき続けていました。
そうしてどれくらい時間がたったかわかりませんが、私の中で泣いていたあやかの泣き声が突然止まりました。
「あやか?」
私は思わず声をかけました。
「・・・ごめんね。ゆい、ごめんね」
私は当惑しましたが、彼女の言葉に真剣に向き合う必要がありました。あやかがなぜ急にわたしに謝りはじめたのか私には理解できませんでした。
「大丈夫だよ。あやかが落ち着くまでずっと一緒にいるよ」
戸惑いながらもそう伝えると、「ありがとう。ごめんね」とつぶやき、もう大丈夫だからといって私たちはその日、別れました。
それ以降、あやかと会うことはありませんでした。
私は驚きと困惑の中、何度も彼女に連絡を試みましたが、電話はつながることはありませんでした。私はあやかの行方を探し続けましたが、彼女と再び会うことはありませんでした。彼女の「消えた顔」の謎は解けず、私は彼女の突然の消失に対する悲しみと不安を胸に抱えることになりました。
「消えた顔」という都市伝説は、私の心に深い影を落としました。あやかの消えた顔が本当に起きた現実なのか、それとも彼女の想像の産物なのか、私には明確な答えはありませんでした。
この恐ろしい出来事から学んだことは、都市伝説には現実の恐怖が潜んでいるということです。私は他の人々にもこの話を広め、顔が消えるという奇妙な現象から身を守ってほしいと願っています。
そして、あやかがいつか戻ってくることを願っています。彼女の消えた顔の謎が解ける日が来ることを切に願っていますが、それがいつか訪れるのか、私にはわかりません。