これは祖父から語り継がれる恐ろしい物語だ。
ぞくっとする寒気が背筋を這い、悪夢の扉が開かれる。
夜の闇に包まれた道を一人で歩いていると、不気味な足音が後ろから漏れ聞こえる。
それは何者の足音なのか、明白な答えはない。
ただ、誰もいないはずの道で耳を澄ませば、血を凍らせるような音がそこに存在することがわかる。
そして、その恐ろしい足音の主が現れる。
それは「てくてく」という名のお化けだ。
その姿は闇に溶け込み、影の中からぞくりと姿を現す。
狡猾な存在であり、暗闇を縫って忍び寄ることで知られている。
逃げようとしても、てくてくはあなたの後ろから迫ってくる。
あなたの足音が速くなるにつれ、彼の足音も忍び寄り、さらに近づいてくる。
あなたの体は恐怖で凍りつき、必死に逃げる意思だけがあなたを動かす。
てくてくの姿が明確になると、あなたの心臓は恐怖で激しく鼓動し始める。
その顔は歪み、無慈悲な笑みが唇を裂く。その目は深淵のように黒く、あなたの魂を呑み込もうとしているかのように見える。
何がてくてくを生み出したのか、その起源は闇に包まれている。
祖父の語り口では、人々の罪や忌まわしい秘密が混ざり合い、このお化けが生まれたという。
いずれにせよ、てくてくは人間の恐怖と苦しみを愉しむ存在であり、その復讐心は滔々と溢れている。
夜道を歩く者たちは、てくてくに襲われる運命を背負っている。
その存在は一瞬の油断に乗じ、あなたの魂を飲み込んでしまう。
後ろから聞こえる足音がしてくると、あなたはもう彼の執拗な追跡を感じることだけができる。
そして、その恐怖の果てにあなたが見るものは、ただの闇だけではなかった。
ある程度の追いかけっこが終わった後、てくてくはあなたの身体を包み込んでいく。
てくてくの冷たい手があなたの肩に触れると、血の気が引いてくことだろう。
全身が麻痺し、息苦しさが胸を突き抜ける。
「逃げられないよ。」
てくてくは冷酷な声で囁く。
その声はあなたの耳に直接響き渡り、心に深く刻み込まれる。
絶望の底に沈むあなたは、逃げられるかもという最後の一縷の希望を失うことだろう。