こんな噂がある。第二次世界大戦がはじまる前に、砂漠にある古代の遺跡から発見された遺跡が今現在、多くの企業から注目を集めているという。
石板には大量の文字が書かれており、研究者は解析を進めていたが、当時はめちゃくちゃな文字列が書かれているだけで、当時の人のいたずらであると判断され、歴史資料としてはまったく価値がないと判断された。
しかし、発見されてから数十年後、友人の考古学者から「面白いものがある」とこの石碑と解読結果を見せられたエンジニアは驚いた。
その解読結果は自分が書いているプログラミングに酷似していたからだ。見たこともないプログラミング言語なのでコーディングは簡単ではないが、エンジニアは興味をそそられてそのプログラムのロジックをできる限り真似てコーディングを行った。
それはなんとAIのアルゴリズムだった。当時のスペックでは満足に動かすことはできなかったが、それでもエンジニアが投げた質問に適切に回答する程度のAIが実装できたのだ。
当時はPCすら一般家庭に普及していない時代だ。エンジニアは怖くなり、プログラムを消してしまったという。
その後、数十年がたったあと、もうすでに時効だろうとおもってこの内容をある会社のCEOに冗談交じりにはなした。
CEOも普段なら笑い飛ばすのだろうが、彼は資金繰りに困っていた。藁にもすがる想いでその石碑を購入し、配下のエンジニアに黙ってコーディングするように指示をだした。
彼はギャンブルに勝った。一般には知られていていないが、彼の会社は今や知る人ぞ知るAI開発ベンダーとなったのだ。
最新のAIのアルゴリズムと酷似している部分があったという。しかも、まだ解読されていない部分もあるということで、世界中の企業が発掘に投資するようになった。
今公開されているAIは実際に開発可能なAIから10年は遅れていると開発者はいう。最先端のAIは天才から生み出されたのではなく、古代の文明のコピーに過ぎないのだ。
私たちがそのAIの真の性能を見ることができるのは今から何年後になるのだろうか・・・